アフリカ

マラウイで働く【ボランティア活動編】

こんにちは、マイムです。
「アフリカでライオンに遭遇した?」などと聞かれたりします。アフリカ全体がサファリだと思われがちですがサファリというのは自然保護区や国立公園内の話。
 
日常生活で遭遇するアニマルの定番は、鶏、ヤギ、ブタ、牛、犬。道行くヤギを見て「おいしそう」と思うようになりました。家の中で鶏やヤギと鉢合わせたこともあるけれど不意打ちすぎてシャッター間に合わず。人間以外の不法侵入には寛大。
 

今回は

ボランティア活動、マラウイで何をしたの?編。日常生活同様、活動はすべて3人組で行いました。
 
マイム
マイム
何でも綿密に計画を立てたい真面目な韓国人。ノリと勢いで要領よく生きてるブラジル人。韓国人ほどの真面目さは持ち合わせてないけれどブラジル人ほどラフにも生きられない日本人。しょっちゅう板挟みでした、私。でもいい感じのコンビネーションだったと思います。

  派遣先プロジェクト

女性のための農業支援
farmers club for women
 
女性向けの自立支援プロジェクト。なぜ女性なのか。マラウイはまだまだ男尊女卑が根強く残る国。多くの女性は男性のサポートなしに生きる道を知りません。そこで村の女性たちに農業のノウハウを教えます。知識やスキルを持つこと、自力でお金を稼ぐ術を養うことで彼女たちが自信を持って生きられるようにするのが狙いです。
 
派遣元の団体がこのプロジェクトを始動。現地人を雇い指導者として教育、21名のマラウイ人がプロジェクトリーダー(PL)というポジションに就いていました。チクワワ全土をその21人で分割。各PLが自分の担当エリアの女性たち(各村250名程度)に農業を教えていました。そのPLたちの同僚として着任したのが私たち3人。
 
PL ミーティング
マイム
マイム
心配いりません!みんな同じ顔に見えますがしばらく経てばちゃんと見分けがつくようになります。
農業の知識が一切ない外国人が農業支援プロジェクトに参入。でも私たちに求められていたのは農業のノウハウではありませんでした。課せられたミッションはチクワワという地域の現状を見て、マラウイ人の同僚たち、村の女性たちと関わる中で自分たちにできることを見つけて自由に貢献してください、というもの。フリースタイル。やるべきことは自ら見つける。頼まれはしません。それどころか
 
「外国人がマラウイに来た!チクワワに来てくれた!私たちに話しかけてくれた!それだけで嬉しい!(だから何もしてくれなくても十分)」
 
と言われる始末。観光地化されていないマラウイでは外国人という生き物が珍しく、肌の白い人たちが自分たちの村にやって来たという事実だけで嬉しくて仕方がないようでした。
 
マイム
マイム
厳密には私は黄色人種であり白人ではありません。が、もちろん彼らよりはだいぶ白い。どんだけ焼けてもまだ白い。よって相対的白人を堪能しました。

「アズング(白人)!アズング(白人)!」
 
と寄ってくる子供たち。珍しい白人の肌を触りに来ます。
 
一般人がスターになれる国、マラウイ
 
マイム
マイム
マラウイ人(東アフリカ人)が西アフリカ人のことを「あいつら黒い」って言ってました。もちろん肌の色の話。白さに対しては超絶アバウトだけどやはり黒さの段階には厳しい様子。黒〜茶色までのグラデーションに超敏感。

  偵察期間

何をするわけでもなくとりあえずPLにくっついて村訪問。村人たちと交流し存在をアピール。そして現状把握。村人たちは現地語しか話せないためPLの通訳頼みでした。農業を教える対象は女性だけれど村を訪問して顔を合わせるのは全村民。村長から始まり重役数名の挨拶(どこの国でも長い…)を経てようやく村案内開始。明るく陽気に歌いながら先導してくれる女性たち。ぞろぞろと後をついてくる子供たち。アフリカは情熱的な場所です!貧困、飢餓、病気…が現実としてあるのは事実だけれど、決して悲壮感漂う場所ではないです。
 
パワフルとしか言いようがない村の女性たち
マイム
マイム
「We’re happy to be together♩」(あなたと一緒にいられてうれしいわ)という歌詞がエンドレスに繰り返される歌をよく歌ってくれました。
どこから湧いてきたのか。次第に増えていく子供たち
村民へ投げかけたことがあります。
 
「何かしてほしいことはありますか?」
 
間違った質問でした。
 
あれが欲しい
これが欲しい
お金がほしい
 
そうなってしまうのも無理ありません。彼らにとっては今の生活がスタンダードであり、どうしたらもっとよくなるかなんて聞かれてもわからない。わからないから今の現状がある。そしてもっとお金があったならば…と願う。当然のことでした。
 
そこで例えばお金をあげたとして、彼らは一体何に使うでしょう。きっと目の前の欲しいものを手に入れて終わり。
 
「魚を与えるのではなく釣り方を教えよ」
 
そう、それ。私が説明するまでもなく誰かが言ってくれたやつ。私たちボランティアが何かを与えたり新しく始めたところで私たちが帰ったら終わるのでは意味がない。現地の人たちが自分たちの手で継続していけることを考えなければ。
 

  活動考案

村訪問で気づいたことを列挙。さて、何ができるだろう。真面目な韓国人、楽観的なブラジル人、中途半端な日本人の3人で連日トリオ会議。
 
—やることメモ—
 
  • 栄養講座
  • 調理実習
  • 幼稚園の建設/リフォーム
  • ゴミの分別講座
  • メイズ(トウモロコシ)収穫後の茎葉から炭を作る方法を教える
これをやると決めたら次はPLに話を持っていきます。勝手に村に行って何かをするのではなく村へのアポ、人集め、宣伝、通訳に至るまでの全てをPLにオーガナイズしてもらう必要があるからです。PLはマラウイ人。つまり(ブラジル人のさらに上を行く)楽天家。思ったより時間がかかる。ようやくPLと話がまとまったら次はPLに連れられて村へ出向き村長と交渉。村長もマラウイ人。更に予想を上回る時間がかかる。こうして計画してから実行に移すまでにとんでもなく時間がかかるのがマラウイです。計画はマラウイ時間でしましょう。
 
マイム
マイム
マラウイ人と待ち合わせをするときは2-3時間待つつもりで行くとイラっとしないで済みます。本など持っていくのが賢い。木陰で寝ながら待つのも良し。アポは1日1つ。2つも3つも予定を入れると必ず消化不良に陥ります。ストレス軽減策は事前に講じるのが吉。学びました。

  活動実施

井戸掘り、簡易トイレ設置、PL向けパソコンスキル講座、近所の子供たちへの英語レッスン、農業など単発のこまごまとした活動は挙げればたくさんありますがメインの活動は以下。
 
  • 栄養講座/調理実習
栄養失調によりお腹がぽっこり出た子供がどこの村にもいます。そこでお母さんたち向けに子供たちの成長に必要な栄養素はこれとこれですよ、何から取れますよっていうプレゼンと、実際に栄養バランスのいい食事を作ってみましょうという調理実習を各村で開催。
 
火起こしの際の煙は新生児に有害ですよ、ビニル袋は燃やさないようになどという簡単なことも情報として有用。私たちの常識はマラウイの常識ではありません。現地のお母さんたちが知らないことはたくさんありました。
 
停電により暗闇で講座用ポスターを作成 (計画的に昼間やれ)
各村で栄養講座。通訳付き。
調理実習。みんなよく見てる。
  •  幼稚園の建設/リフォーム
農業支援プロジェクトで村の女性たちを農業に駆り出します。すると彼女たちは子供たちをほったらかして働くことに。村には小さい子供達がうろちょろ。年上のお兄ちゃんお姉ちゃんたちが下の子たちのお世話をしていました。学校に行かずに。悪循環。そこで幼稚園を作ろうということになりました。
 
幼稚園を作るにはまず協力的な村を選ぶ必要があります。ここに幼稚園を作ります、と外国人が勝手に建てたところで、村の人たちが私たちの帰国後も継続してくれる保証はありません。となれば村人たち自身が自分の村に幼稚園を作りたいと思っていること、そのために動く意思があること、運営していく覚悟があることが必須。村訪問をしていく中で見込みのある村をピックアップ。
 
結果、新しい幼稚園の建設を3つ、既存の幼稚園のリフォームを3つ手掛けることができました。
 
内装がきれいになった幼稚園に集う子供たち
先生も村の有志。ボランティアです。
給食。トウモロコシの粉で作ったお粥。
  • ゴミの分別講座
マラウイにはゴミ収集シムテムなるものが存在しません。誰もかれもが平気でその辺にゴミを捨てていました。歩きながらポイ。バスの窓からポイ。バナナの皮ならまだいいけれどお菓子の空袋さえもです。でも彼らに悪気はない。ゴミをゴミ箱へ捨てるというのは教育されてはじめて身につく常識。知らないからやらない、至ってシンプル。
 
ゴミをゴミ箱へ捨てましょう、燃えるゴミって何?燃えないゴミってどれのこと?生ゴミは堆肥になりますよ、その程度のことです。まずはPLたち向けに講座を開きました。彼らが率先してゴミの分別を行い、定着したら今度は彼らが指導者として村人たちに徐々に広めてくれることを願って。
 
真面目にプレゼンを聞いてくれたPL陣
  • 茎葉から炭作り
食事のたびに火を起こす国です。その度に必ず木炭を使います。木炭を得るために木を伐採。チクワワの緑は次第に減ってきていました。一方で農業を営んでいれば必ず出る収穫後の廃棄物。それらを使って炭を作る方法を事前に学習していた私たちはその方法を現地で披露し伝授しました。
 
トウモロコシ収穫後の廃棄物をかき集める女性たち
サトウキビと村人とわたし

  あとがき

ボランティア活動って何なんでしょう。「ボランティア」には「自発的に奉仕活動をする人」という定義があるようです。私にとってはアフリカに行ってみたいという好奇心を満たすための手段がボランティア活動だっただけで、自発的に奉仕活動をしようと思っていたわけではありませんでした、正直なところ。
 
自分がしたことを客観的に見ると先進国から途上国へ出向き貧しい人たちを援助しようとしたように映ります。でも私は「援助」したんでしょうか。
 
少なくとも私の目にはマラウイの人々が困っているようには見えませんでした。みんないつも笑顔で歌って踊って明るく毎日を生きていました。「幸せだ」と言っていました。日本の基準に当てはめれば彼らは貧しい生活を強いられているかわいそうな人々かもしれません。でも本人たちが幸せだと言っている。そうなると先進国の価値観で勝手に途上国の人々をかわいそうだと決めつけて助けようとするのは傲慢で失礼なことなんじゃないかとすら思いました。
 
じゃあ何もしなくていいのか。それもまた違います。貧困、飢餓、病気…途上国に蔓延るそういった深刻な問題は決して放置しておいていいものではないのも確かだから。
 
結果的に私たちが現地に残してきたものは情報だと思っています。それを現地の人たちがどのように受け取ってどのように生かしていくのかは彼ら次第。国が違えば文化が違い、文化が違えば常識も違う。そんな中で私たちの常識を彼らに押し付けるのはおかしな話。彼らが知らないことを情報として渡してあげることは必要です。知っていれば命を落とさなくて済むような有益な情報もあるのだから。もちろん知ってしまうことで不幸せになる情報もあるはずなので情報の種類は吟味する必要があると思うけれど。
 
私たちが正しくて彼らが間違っているわけではない。私たちが上で彼らが下なわけでもない。ただ両者は違うということを認識して謙虚な姿勢で相手と関わろうとすること、それが現時点での私にとってのボランティア活動の定義です。
 
マイム
マイム
ギブアンドテイクで言えば、ギブよりテイクの方が多かったです。してあげた何か以上のことを学ばせてもらいました。
こんなに物に溢れ便利で豊かな生活をしていても、幸福度が低い日本人。一方、ほとんど物がなく不便で貧しい(と思われる)生活をしていても、幸福度が高いマラウイ人。
 
これがマラウイで半年間を過ごして私が辿り着いた命題です。
 
だからといって日本人に「あなたは恵まれているのだから幸せを感じなさい」というのもナンセンス。
 
しあわせはいつもじぶんのこころがきめる みつを
 
でしょう。
 
マイム
マイム
いつになく深い話でした。柄にもなくと言いたいところだけれど、そんな柄です。無駄に物事を深く考えて自ら泥沼にはまりに行く趣味があって大変困っています。人生が大変。生きるの疲れる。
 
最後に、散々文章の中に登場させておいてこれまで紹介してこなかったトリオの紹介です。
(左)真面目な韓国人(中)楽観的なブラジル人(右)中途半端な日本人
この記事を書くにあたり思い出を振り返りすぎてノスタルジックな気分に。戻りたい、マラウイ。大好き、マラウイ。会いたい人もいます。いつかまた必ず訪ねる場所です。いつか必ず…
 

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