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アフリカへの道【資金集め編】

こんにちは、マイムです。
大事なことは別として日常生活ではけっこうどうでもいいことの方が多いです。
 
“What do you think?” (どう思う?)
 
大抵どうとも思わないのでその場が丸く収まる答えを臨機応変に提供。外国ではそれが通用しませんでした。
 

今回は

予告通り資金集めのドロドロを。資金集めは英語でファンドレイジングと言います。もうファンドレイジングって一生分発音したと思います私。言葉に出すだけでもやもや。人生でもう二度とやりたくないことの一つ。当時ずっと「ファンドレイジング」と認識していたので「資金集め」なんて日本語じゃしっくりきません。ファンドレイジングでいきます。(既に4回言った
 

  ファンドレイジング

ノルマ:1人当たり$6,000の調達
 
6,000 USドル。1ドル100円の単純計算でも60万円。×人数分がチームのノルマ。チームワーク命、連帯責任、”stick together(一致団結)”。8月チームは全部で9名でした。
 
6,000×9=54,000(540万円以上)/6ヶ月
 
を調達しろって。
 
最初の半年間、タスクと並ぶメインの活動がこれ。説明しなくても「どんだけ~」の事態。でもこれをクリアしなければアフリカには行けません。行かせてもらえません。
 

  何の資金?

私たちボランティア(DIと呼ばれます。Development Instructor)自身がアフリカに派遣されるにあたり必要なお金です。調達した資金でDIのアフリカへの渡航費、ビザ代、保険代、予防接種費、現地での生活費などを賄います。集めた資金がお金のままアフリカに直接渡るわけではなく、DIのアフリカでの活動をサポートすることで結果的にアフリカに貢献するという構図。
 

  方法

自由です。目標額を調達できれば。が、法に触れてはいけませんもちろん。悪いことをして得たお金でボランティアなんていう本末転倒な結果は誰も求めていません。自分のお金を投入するのもルール違反。ルール違反もなにも60万円も出せませんが。それに連帯責任なのでたとえ60万円を投入したところで自分だけファンドレイジング終わり、とはならず目標額が残り480万円に変わるのみ。となれば私だけが自腹を切る必要があるのか、いやない。よって方法は地道な募金活動に。今でこそクラウドファンディングなどというシステムが確立していてネット上でプロジェクトを公開し賛同が得られれば募金してもらえます。当時そんなものは普及していませんでした。そこで採用されるのが
 
街頭募金
 
他にもアイデアがあれば試してみる価値ありですが、どのチームも最終的に街頭募金に落ち着いていました。募金箱を持って街行く人に募金をお願いするお馴染みのスタイル。チーム内に楽器の演奏、ダンスなどの一芸を持つ人がいればそのパフォーマンスでお金を獲得するのはありでした。路上ライブ。残念ながら我がチームにパフォーマーはいませんでした。
 

  街頭募金

ふらっと街へ出てチームメイト9人が横並びで募金をお願いするなんていうスカウト活動みたいなことはしません。効率が悪い。1ヶ所につき1人、スーパーの入口に立つ。半年の間に募金活動に充てていい日数が決められていました。基本的には毎週末。および1週間の遠征×2。チームで話し合って場所を決め泊まり込みで行きます。
 
そこで募金活動に出る前に綿密な準備が必要に。活動場所、宿泊場所の確保。ガソリン代、宿泊費、食費…お金を使わずしては何もできない世の中で「資金集めに行く資金」はどうなってるの?そのあたりを紐解いていきます。
 

  準備

すべてはチームミーティングで決まります。
 
マイム
マイム
ただでさえ時間が足りないカリキュラムの中でこの不毛な話し合いにどれだけ時間を割いたことでしょう。何も決まらないミーティングほど無駄な時間はない~
 
  • どこへ行く?

学校の所在地はミシガン州ドワジャック。超ミニサイズの田舎町。人がいない。人がいない町で募金活動をする意味。ならば外へ。慣れないうちは近隣でした。有名どころで言えばシカゴが車で片道3時間の距離。1週間の遠征はアトランタ(片道10時間以上)、ダラス(片道15時間以上)なんかまで。合計で何都市攻めたでしょう。ここは稼げる!ってところには数回行きました。しかしこの都市決めも一筋縄ではいかず。「次どこ行く?」から始まるミーティング。私個人はアメリカの土地勘もないし特にどこに行きたいという希望もない派。でも希望がある人もいます。「人口何人でこの規模だから募金活動に向いてると思うからここ」って合理的な主張をする韓国人。個人的に観光したいなどの好奇心で「この町」って主張するコロンビア人。真っ向から意見がぶつかりピリピリした空気の中 “What do you think?” と投げかけられる私。勘弁してよ。

 
  • どこに立つ?
スーパーの入口とはいえ勝手に行って勝手に募金活動をしていいわけがありません。要アポ電。(最近流行りの悪質犯罪じゃないです。) 行く都市のスーパーのリストを作成、電話で許可をもらいます。英語ができないのに。対面での英会話がままならないのに電話での英会話のハードルがどれだけ高いことか。変な外国人が片言で電話をかけてきたら切りますよね。アメリカでもそうでした。時に優しさに溢れる方が対応してくれたとしても、電話応対が優しいことと募金活動の許可をくれることは別の話。基本的に断られると思っておいた方が無難です。かけてもかけても断られ続け精神的にきます。それゆえ率先して電話したい人なんていません。でも誰かがやらなければ。チーム内にネイティブはいないので「(私より)英語喋れるじゃん」「(俺より)リスニングできるよね」っていう押し付け合い。オーマイゴッド
 
許可がもらえないまま当日を迎え現地に出向くこともありました。電話では断られたけど直接交渉したらOKをもらえることも。必要なのは素敵な笑顔と謙虚な姿勢、そしてコミュ力です。
 
マイム
マイム
余談(悪口じゃない)ですが、ブラジル人は英語が喋れなくてもコミュニケーション能力が高いです。ブラジル人超喋る。英語喋れないのに、喋る。どういうこと?その性格ゆえ語学が伸びるのが格段に早かったです。悔しみ。
 
  • どこで寝る?
資金を集めたいのに、宿泊費に一人何十ドルもかけてる場合じゃないです。学校からも支給されません。野宿?車中泊?実際そんな日もありました。寝る場所が見つからずキャンプサイトで野営。証拠写真はこちら。
 
テントを張るチームメイト
 
野営は異例の事態。基本的にはカウチサーフィン(Couchsurfing)を利用。
 
カウチサーフィン

一般の人(多くは旅好き、交流好きの人)の自宅に宿泊させてもらうシステム。サーファー(泊めてほしい側)がホスト(宿泊を受け入れてくれる側)をサイト上で検索。ホストは写真とプロフィール(どの言語が話せるよ、こんなことに興味があるよ、こんなことが教えられるよ、こんなことを教えてほしいな、など詳細を載せています。自分が交流したい人、趣味が同じ人、需要と供給が合致するサーファーから選んでもらいやすくなるからです)、自宅情報、宿泊条件(受け入れ可能人数や性別、子供・ペットの可否、喫煙情報など)を公開しているので、条件に当てはまるホストを選びサイト上でやり取りして交渉が成立すれば泊めてもらえます。無料です。過去にそのホストを利用した人、そのサーファーを受け入れた人による評価がそれぞれ明記されているので、それらを参考に相互に相手を選べます。泊めてあげることはできないけどお茶しましょうというオプションもあるし、イベントを立ち上げてオフ会のようなものを催すこともできます。自分が旅行者のときはサーファーとして利用し、旅行中以外はホストとして自宅を提供することで成り立っています。

日本人には抵抗があるかもしれません、知らない人を自宅に泊めるなんて。アメリカ人はオープンでした。見ず知らずの人を迎え入れ、自由に何でも使ってね、何でも食べていいよ、ここに鍵を置いておくから自由に出て行ってね、という無警戒ぶり。もちろんホストによってルールは違うし、サーファー側も常識の範囲内で行動します。無料で泊めてもらうので夕食を用意して一緒に食べたり、フリーな時間に会話を楽しんだり(ネイティブと英会話する絶好のチャンス)。信頼関係に基づくシステムなので評価が下がればそれ以降泊めてもらえなくなったり、ホストとして選ばれなくなったりします。両者とも後々不都合が生じるような行動はとらないので危険な目に遭うこともなく、むしろ好意的なホストにたくさんお世話になりありがたかったです。
 
そこでブラジル人の出番。コミュ力の高さを遺憾なく発揮しカウチサーフィンで宿を確保します。
 
 
  • 誰が運転する?
チームに車が2台。9人が2グループに分かれます。宿も9人分より半分のほうが探しやすいので合理的。そこで勃発するのが運転手問題。5人ほど国際免許証を持参していました。十分じゃん。ところが、ペーパードライバーゆえ運転したくない人、長時間の運転は無理だと言う人。私も車線と座席が左右反対の異国で万が一事故ったら責任が取れないので、できるだけ運転は避けたいと主張。それぞれに理由があって運転したくない人だらけ。近場なら交代は不要ですが片道15時間ともなれば絶対に交代が必要なわけで。揉めに揉める。
 
マイム
マイム
交通費としてガソリン代の支給が定額ありました。それをケチって募金箱に入れたいところでしたが給油レシートと残金は学校に返却するのがルール。残念。
 
 
  • 食事は?
ファンドレイジング中は外泊。学校にいれば食費はかからないのに外に出れば食費がかかる。そこは学校がサポートしてくれました。1人1日3.5ドル笑!思わず「笑」ってつけてしまいました。到底無理な額なので事前に学校から食材を持ち出します。パンやグラノーラ、チーズ、バナナ、りんごなど素材のまま食べられる系からパスタや玉ねぎ、ツナ缶など調理が必要なものまで。外食は高いので夜は持ち出した食材+αの買い物で自炊。運と愛想が良ければ活動先のスーパーでおこぼれをもらえることも。
 
ざっとこんなところでしょうか、準備。ピリピリ感、ギスギス感が鮮明に蘇ってきます。
 

  出陣

第1回ファンドレイジング出発の日の朝
 
当日は車で現地まで行き、アポを取った(またはその場で許可をもらった)スーパーに降ろされて夕方のお迎えまで1日中放置されるのみ。朝から夕方まで平均10時間くらいでしょうか、店先でぼっち。1日中立ちっぱなしの辛さ、相手にされない(素通りされる)寂しさ。興味を持ってくれた人に質問されても英語が未熟すぎて伝えられないもどかしさ。片言で募金をお願いするなんて怪しいにもほどがあります。それでも募金してくれる心優しい人がたくさんいました。募金はしてくれなくてもパンや飲み物など現物支給してくれる人もいました。時にはナンパも。(もっと英語が喋れたら良かったんだけど…
 
始まったばかりの頃。まだ笑顔。

始まりは8月でしたが、数ヶ月も経てば季節は冬に。タイムリミットが迫ってきているのに目標額に近づいていない焦りとプレッシャー。学校での人間関係やタスクの重みなどからのストレス。孤独、凍てつく寒さ。立っていて涙が出てくることがありました。寒くてなのか、辛くてなのか、わからない涙。ギリギリでいつも生きていたいってカトゥーンは歌ってましたが、私は余裕を持って生きていたかった。

マイム
マイム
ミシガン州の冬は-20℃にまでなります。一日中外で棒立ちしていられるレベルじゃないです。寒いというか痛い。
準備の段階で得手不得手があったのは前述の通りですが、募金活動にも向き不向きがありました。毎回がっつり稼いでくる人もいれば数ドルしか稼げない人も。仲たがいの一因。稼げる派に怠けてると思われがちな苦手派。1ヶ所に1人の配置なので、実際怠けてるのかがんばっても稼げないのかの真実はわかりません。チームメイトを信じるのみ。既に人間関係が危ういというのにどうやって…。また要因は人だけじゃなくスーパーによって当たり外れもあります。その日の客入りにも左右されます。最終的には個人の成果は関係なくチームとして合計いくら獲得したのかが全て。様々な条件を考慮して作戦を練ります。
 
成功した作戦

アメリカは多人種が住む国です。日本人向け、韓国人向け、アジア人全般向け、ラテン系、ヨーロッパ系、インド系…スーパーの種類はいくらでもあります。どこにだれを配置するか。普通に考えて言語問題のない配置がスマートだと思いがち。日本人は日本人向けのスーパーに行き、ラテンの彼らがラテンマーケットに行く。でも正解は逆でした。ブラジル人のイケメンに韓国語のワンフレーズを仕込み韓国人向けスーパーに配置し、日本人の私がスペイン語のワンフレーズだけを武器にメキシカンマーケットに出向いた結果、めっちゃ儲かった!興味を引くことがカギ。なぜ白人のイケメンが韓国語を喋っているのか。なぜアジア人が店先で片言のスペイン語を叫んでいるのか。みんなが構ってくれるのでその日は孤独を感じずに済みました。言葉は全く通じなかったけど笑顔の交換は問題なくできたしお金もゲット。なんていい日。

 
マイム
マイム
オラ~コモエスタ~ス!レグスタアユダラロスニニョスエンアフリカ~!オラ~コモエスタ~ス!レグスタアユダラロスニニョスエンアフリカ~!オラ~コモ…
 
アジアンマーケットでの募金活動とラテンマーケットでの募金活動。やったことは全く同じですがおもしろい現象に気づきました。アジアンマーケットでは素通り率が高いです。でも10人に1人、立ち止まって10ドル入れてくれる人がいます。ラテンマーケットは10人来れば10人が立ち止まり、それぞれが1ドルずつ入れてくれます。結果同じ10ドル。深い。
 
募金箱をひっくり返しその日の成果(お金)をカウント

  クローズコレクション

街頭募金以外のもう一つの収入源。
 
トラックで市内に何十個かある古着回収ボックスを一つずつ回って古着回収
 
路上に古着回収ボックスが置いてあり市民が自由に古着を投入できる仕組みがありました。要はゴミ回収と同じ。回収してきた古着はキロいくらで買い取ってもらいます。週1回、トラックの運転ができる人、補佐の2人組でこれに行きます。またしても揉める。貴重な1日が潰れるのだから…
 
こんなボックスがあちこちに。

  あとがき

そんなこんなで半年が経ちました。途中から週末が嫌に。またファンドレイジング…。かといって学校にいてもキャパを越えたタスクと雑務で自由はないので心穏やかに過ごせるわけもなく。人間関係はぐちゃぐちゃ、気持ちはいっぱいいっぱい。1人抜け、2人抜け、と目標額に変動があったこともあり詳細は把握していなかったけれど、最終的にアフリカに行けたので達成したんでしょう、目標額。もう最後の方はどう過ごしていたのか記憶にないです。脳が意図的に消したのかもしれません。
 
当時に比べたら記憶が薄れましたが、二度とこの形式でのファンドレイジングはしたくない、その気持ちは変わりません。でも実際英語は伸びました。度胸も付いたし、精神的に鍛えられました。アフリカへ行く準備が色んな意味で整ったのは間違いないでしょう。
 
マイム
マイム
思いのほか大作になってしまいました。これまで(簡単には説明できないがゆえ)誰にも語ったことがなかったドロドロ。長々とお付き合いありがとうございました。

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